2024/07/04
家の耐震性はどうやって決まる?簡易計算と許容応力度計算の違いについて
家の耐震性を測る方法として、簡易的な計算方法(壁量計算)と許容応力度計算(構造計算)があるのをご存知ですか?
「このハウスメーカーは耐震等級3だから」と安心するのはちょっと待って!
どうやって耐震性を測っているかで、同じ等級でも性能に違いが出てくる可能性があるのです。
家の強度を測るには…ポイントとなる部分は?
皆さんは、家の強度はどの部分で決まると思いますか?
壁?柱や梁?基礎部分?接合部…?
答えは全部です!屋根の重みに構造部分が耐えられるか、地震の揺れや風圧がかかっても壁が耐えられるか、適切な場所に柱や壁が配置されているか、接合部の強度はどれくらいか、基礎はしっかりと設計されているか…。
これらを総合的に見てはじめて、その家の本当の強さを判定することができます。
ところが、これらのチェックポイントを無視して簡単な計算方法で耐震等級を決めているハウスメーカーもあるんです!
簡易計算だけで、本当に耐震性が判定できる!?
耐震性を調べる方法としては、ざっくり分けて2パターンあります。
*簡易計算(壁量計算)
使われている耐力壁の量だけで耐震性を測ります。
*許容応力度計算(構造計算)
屋根や壁、基礎それぞれにかかる荷重を細かく数値化して耐震性を見定めます。
簡単に説明すると、簡易計算で見ているのは建物の「面」だけ。「全体として壁にこれくらいの負荷がかかっていますよ」ということだけ調べて「耐震等級○」と判定しています。
一方、許容応力度計算の場合は柱1本1本にかかる負荷や、基礎コンクリートがどれくらいの重量や負荷に耐えられるかまで緻密に計算して耐震性を判断します。
どちらの計算方法が正確か?答えは当然、後者ですよね☆
ですが今現在、木造の2階建てや平屋の住宅に許容応力度計算を義務付ける法律がないことと、この計算方法には時間とコストがかかることを理由に、壁量計算だけで済ませて耐震等級を出しているハウスメーカーも少なからず存在します。
私たちから見ると、それは住宅のプロとしての怠慢です。「簡易計算で等級2」などと言っているハウスメーカーは、まず選ばない方が無難だと考えます。
今後は法改正で基準が厳しくなり、木造2階建てや平屋でも許容応力度計算が義務化されることも予想されているので、今度の住宅業界の流れをよく見ながらいい家造りをしてください☆